「初心者カット」美容師がカットを学ばない理由
最初に習った「初心者カット法」が「カット法」の全てと思い込み、もう学ぶべきものはないと信じている。
1960年代、美容師の言葉「盆・暮れパーマ」の表現があり、客は年2回のパーマにしか来ない。来店数が増えれば良いとの願望と、どっちみち増えないというあきらめが同居した複雑な言葉だった。
閉塞感が漂う頃、「彗星のように」誰でも、すぐに、カンタンに出来る体系化されたカット法が現れ、来店を促す、美容室の新規メニューとなり、安定した収入源になった。
増収をもたらした「この初心者カット」を当時の美容師達は神格化した。
当時も、今も、全く同じ「初心者(1次元)カット法」ですが、当時は、カットだけではなく、パーマをかける頻度が高く、又、セット(カーラー巻)で頻繁に来店、客も「崩れないヘアスタイル」を望み、粘着力の強いスプレーを使う等で、「初心者カット」でも十分だった。
もうひとつの原因は、美容師がヘアカットを学ぶ時、「カット法」を学ばずに〔このような状態に切る〕には〔切り方はこうだ〕と習い覚え、次の美容師に教えていく。この繰り返しが「ヘアカット」が一定理論に基づいて体系化された知識と方法で行われていると知らずに過ごす。美容師は、価値観を「切り方」に求め、無意味な曲芸師のような使い方で、自己主張するだけの美容師になった。「初心者カット」美容師がカットを学ばない理由です。