映画主人公のヘアスタイル レオン
隠れた主役 ボブスタイル〔レオン〕
主人公のレオンとマチルダのヘアスタイルは、この映画の大切なテーマを受け持っています。
マチルダは、典型的なボブで、後頭部からうなじ部分がタイトにしまっています。
ボブのまっすぐな髪の流れが、可愛さ・素直さ・一途さを表し、髪の色がヘアスタイルの印象度を柔らかくしています。
カメラがサイドからボブラインを捉えた時、直線が表す意志の強さ・聡明さが、画面に溢れます。後頭部からタイトに絞っているフォルムは、マチルダを子供っぽく見せるか、大人っぽく見せるかの分かれ目です。
ラストシーンの植木を持って、素晴らしい立ち姿で歩くマチルダをピンで捉え、ロングシーンで追う時のヘアスタイルは、全身と調和して、素晴らしいシーンを創っています。
マチルダは、時にはあどけない少女、成熟した女性をストーリーの中で使い分け、可愛さ・優しさ・激しさ・エロティシズムを、このボブスタイルが見事に自然なものにしています。
ジャン・レノ演じるレオンは、何の手入れもない短髪で、しゃれっ気は全くありません。
レオンの過ごした孤独な日々から生まれる不満や怒りを押し包んだヘアスタイルで、レオンはこの無造作な短髪に限ります。
マチルダを演じたナタリー・ポートマンは、その後、数々の映画で活躍しているが、私は、このボブスタイルの彼女が一番印象的です。